紅蓮のネタ帳

技術系の話を中心とした雑多なブログ

SIMフリー機でのauのAPN設定時の注意点

緊急事態宣言は解除されませんでしたが、とりあえずジム各社が営業再開したので安堵している紅蓮です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回はauのAPNの設定の話です。
手持ちのAndroid端末(SIMフリー機)にauのSIMを挿してAPNを手動設定した際、色々ハマったので注意点をまとめました。

auのSIMは挿すだけで使えるわけではない

元々国内の三大キャリアは自社販売端末にSIMを挿して使うことを想定しており、auのAPNも2019年6月頃まで非公開だった。
端末の発売時期やメーカーにもよると思われるが、SIMフリー端末や他社端末(SIMロック解除済)にはauのAPN情報はプリセットされていない場合があり、その場合はAPN情報を手動設定しないと通信はできない。

Xperiaの「インターネット設定」の機能で対応できないパターンあり

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Xperiaのネットワーク設定画面

SIMフリーXperiaの独自機能として、ネットワーク設定の画面に「インターネット設定」のボタンがある。
Wi-Fiに接続した状態でこのボタンを押すとAPN情報をどこかから(恐らくソニーのサーバーから)読み込んで、プリセットのAPNの設定を最新の状態に更新してくれる便利な機能だ。

ドコモと楽天モバイルのSIMはこの方法で半自動的にAPN設定をすることができたが、auのSIMではこの方法は通用しなかった。
自動設定では「LTE NET」ではなく、新プラン向けの「5G NET」および「5G NET for DATA」のAPN情報を拾ってきてしまうためだ。
5Gプラン契約者であれば恐らくこの方法で解決する可能性が高いので、その場合は自動設定に任せてしまうと良いだろう。

また、この独自機能は「手動設定したAPN情報をすべて消去して、サーバーから取得したAPN情報で置き換える」といったありがた迷惑な挙動をするため、手動設定しているAPN情報がある場合に使用すると惨事になりかねないので注意。

APN設定は「公式サイトにある項目だけ」を入れ、残りはデフォルトにする

Google検索すると二次ソースの記事(ブログやITMediaのニュース記事等)がヒットすると思うが、結論から言うと二次ソースに載っている情報が正確とは限らないので、au公式サイトのAPN情報をもとに設定するのが正しい手順となる。

www.au.com

 

APN情報の部分にあるAPN・ユーザ名・パスワード・認証タイプのみを設定し、残りの項目はデフォルト値のまま設定を保存するのが正解となる。
例外として、名前(APNの表示名)は任意の文字列を設定しても通信に一切影響しないので、ここは「au LTE NET(手動設定)」のような分かりやすい名前をつけておくと良い。

二次ソースのサイトによっては上記以外にAPNタイプやAPNプロトコル等を設定している場合があるが、この設定を弄ってしまうと正常に通信できない場合があるので弄らないほうが良い。

余計な設定をするとテザリングが機能しなくなる場合がある

 ここからは失敗談となるが、二次ソースの記事を見ながら設定を行ったところ、とりあえずは4G通信できるようになった。
端末単体で使うなら特段の問題は出ないので、恐らく二次ソースの記事を書いた人はそれ以上の検証をしなかったのだろう。

問題はテザリング使用時で、テザリングで他の端末を接続して使おうとすると、DNSとの通信に失敗してインターネットに接続できない症状が出るのだ。

原因の切り分けとして下記を行った。

  • 複数のWindows機からの接続
    →同様の症状が出たので、恐らくAndroid端末がおかしい
  • auのSIMをiPhoneに挿してみる
    →正常にテザリングできるので、SIMや契約内容は正常
    Android端末がおかしい
  • AndroidのSIMをドコモのSIMに切り替える
    →正常にテザリングできるので、auのAPN設定がおかしい

APN設定がおかしいところまで突き詰めたものの、その先はネットを調べても解決しなかったので途方に暮れていた。
そして、手あたり次第に設定画面を弄っていたら、前述のありがた迷惑機能「インターネット設定」を押してしまい、APNの設定が消去されてしまった。
/(^o^)\ナンテコッタイ

APNを正しく設定すればテザリングもできる

不本意のAPN設定消去が発生したが、不幸中の幸いか、これが意図せず突破口となった。
強制的にAPNを再設定することになり、この際に「もしかしたら二次ソースが間違ってるんじゃないか」と思ったため、au公式サイトのAPN設定を探し、その情報を参考にAPNの設定を行うことにした。

とりあえず公式サイトに書かれている設定内容だけを設定し、残りはデフォルトで設定を保存したところ、Android端末単体の通信とテザリングの両方が問題なくできるようになった。
後から当初参考にした二次ソースと公式サイトの内容を見比べてみると、二次ソースの設定項目が公式サイトより多く、余計な設定をしていたのが分かった。

公式サイトや公式リファレンスが役に立たない場合も多く、二次ソースの情報を見たほうが早いのは「IT業界あるある」ではあるが、今回のように二次ソースの情報が不正確な場合もあるので、公式情報も確認する習慣は身に着けていかなければならないとは感じた。